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むし歯治療で神経を温存する可能性を高めるために⑤

2017年3月24日

「麻酔下での無痛治療」

 

皆様が歯科医院を敬遠される大きな理由として、

治療時の痛みや恐怖、過去の痛い苦い経験が

かなりの大きなウェイトを占めるのではないでしょうか?

 

むし歯治療の多くは、

ほんの1mm単位で処置をする必要がほとんどですので、

術中は自分の呼吸でも体が揺れ手元がぶれるため、

息を止めて歯を削るようにしています。

また痛みで患者様が動かれたりすると健康な部分まで

削ってしまうリスクもあるので、しっかり麻酔が効いた状態で

処置を受けていただくことは非常に重要です

 

ですので当院の麻酔は、できるだけ患者様に痛みなく麻酔を受けて頂けるよう

以下のような取り組みをしております。

 

①【表面麻酔の時間を最低2分以上必ず設ける】

治療中の痛みは麻酔をすることでコントロールできるようになりますが、

歯は硬い組織なので、直接歯に麻酔薬を塗ったりして麻酔をすることができません。

そのため、歯肉に麻酔薬を注射し歯まで浸透させる方法が一般的にとられます。

 

ただ、点滴や採血をする際に針を刺す時に「チクツ」とするのと同じように

どうしても歯肉に針を入れる時も同じようになりますので、

多くの患者様がこの「チクッ」が苦手なのだと思います。

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当院で使用している表面麻酔 「ビーゾカイン歯科用ゼリー20%」

 

 

そのため当院ではできるだけその「チクッ」が痛くないように、

針を刺す場所に表面麻酔をしてその痛みの緩和を計ります。

 

ここで重要な事が2つあります。

1つ目は、表面麻酔をした後に最低でも2分以上の時間をあけ

十分に表面麻酔の時間を確保するということです。

予約を重ねたり、次の患者様が待合室で待っているような状況だと

この時間を短縮してすぐに麻酔をしてしまう歯科医院がありますが、

それだと表面麻酔の効果が現れていない可能性がありますので

当院では最低でも2分以上の時間を確保後麻酔をするようにしています。

(製造元の説明では1分30秒で表面麻酔の効果が現れるとしていますが

当院ではそれよりも長い時間をかけて表面麻酔をします。)

 

2つ目は、表面麻酔をする場所を十分に乾燥させてからお薬をつけるということです。

お口の中のすべての場所は唾液で常に湿っている状態です。

濡れているところに表面麻酔のお薬を塗っても

水分と混じりお薬の濃度が著しく低下します。

そのため当院ではカピカピに粘膜を乾燥させ

表面麻酔の効果を最大限に発揮させます。

 

②【歯科で一番細い針を使用】

下北沢井上デンタルクリニックで使用する針は直径0.26mm。

これは歯科で用いられる針の中で一番細いものです。

ちなみに、夏の風物詩の蚊の針先は0.08mmと言われておりますが、

ここまで細いと針を刺しても感じないのかもしれませんが

実際は細すぎても針が折れる危険性があるので

やはりある程度の強度が必要なのです。

 

③【麻酔液注入時の痛みを軽減】

麻酔をする際の痛みとして、最初にお伝えした針を刺す際の痛みと、

もう一つ麻酔液を入れる時の痛みがあります。

麻酔液は約1.5ml前後麻酔をする必要があるので

この量が歯肉に入っていく際の痛みをいかに軽減するかがもう一つのポイントになります。

当院では歯肉の硬い柔らかいを自動で感知し一定の適切な圧力で麻酔ができる最新の

電動麻酔器をご用意しています。

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当院で使用している電動麻酔

「日本歯科薬品会社製 アネジェクトⅡ」

 

 

ただ、本当に繊細な麻酔液注入の圧力のコントロールは従来通り手で行う方が優れている場合もあるので

そこは麻酔をする場所や歯肉の厚みなどで判断しております。

 

④【痛みのでにくいテクニック】

上記でお伝えしたような方法で同じように麻酔をしても

やはり痛みをお感じになられる場合もございます。

ただ、できるだけ無痛麻酔で重要なことは実はこの以下に述べるテクニックの部分だったりします。

それは「針を刺す場所」と「刺す角度」です。

お口の中の歯肉には、皮膚と同じで厚い部分もあれば薄い部分もあり、

その中でも痛点と呼ばれる痛みを感じるセンサーが密集している部分もあれば

そうでない部分もありますので、できるだけ痛みを感じにくい最適な場所に

麻酔をするようにしております。

また、針の先端は斜めにカットされておりその角度を歯肉にどのように

あてるかも大きなポイントになりますので

薄い粘膜をめがけて刺入します。

 

※麻酔をしたのに痛い場合の処置※

麻酔の薬にも効きやすさや、効いている時間、治療する状態により

効き目に違いがあります。

①すでに痛みのある状態からの麻酔

②腫れや炎症の強い場所の麻酔

③膿を持っている場所への麻酔

④下の顎の奥歯の治療の麻酔

 

ですので、一番大切なのは、ありきたりですが

「痛みの出る前に早めに処置」が重要になります。

 

どうしても麻酔が効きづらい時の対応としましては

①麻酔を追加する

②十分時間をおいてから処置を開始する

③一旦治療を中断し、腫れや炎症が治まるまで飲み薬による治療を行う

④少しだけ我慢していただき、短時間で処置を終わらせる

 

などの対応をしておりますが、ほとんどの場合は

①と②で解決しますが、その都度患者様に説明し

相談しながら決めていきます。

 

 

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