2022年4月28日
小さいお子様は成長とともに活動範囲が広くなり活発に動き回り
家や公園、保育園等のシチュエーションで
前のめりに転んで歯をぶつけた
遊具から落ちて歯が折れたなど
予期せぬ状況が発生します。
そこで今回は小さいお子様に多い乳歯の外傷についてお話ししたいと思います。
題目では乳歯の外傷と書いておりますが、
まず医学的に優先するべきことは受傷した歯ももちろん大事ですが、
乳歯が折れたりかけたりするくらいの頭部への高エネルギー外傷が、
頭蓋内や眼、気道など他の臓器に影響を及ぼしていないかどうかの判断です。
一時的な意識障害、健忘症状がないか、頭痛や気分不良、耳鳴り、複視などないか、
注意力や集中力の低下、易刺激性(音声や光などに対する過敏性)などないか
周りの大人の判断で構いませんがまずはそれらのことを優先的に確認することが大切です。
受傷時の状況がその場で確認できれば一番良いのですが、
往々にして目を離したタイミングでそういう状況が起きてしまうものでもあるので
状況の詳細を周りに確認することが必要です。
もし気になる症状があれば迷わず医療機関での受診を優先してください。
また、その場で大丈夫となっても数日中の同じ運動や行動、遊びは避けた方が賢明です。
1回目の頭部外傷や脳震盪受傷後の数日~数週間後に、同様の2回目の頭部外傷を受傷し
致死的な脳腫脹をきたすセカンドインパクト症候群が起こる可能性があるからです。
専門外なので詳細な説明はこの場では控えますが、重要なのは頭部外傷後に再び外力が
加わることを避けなくてはならないということです。
そしてそれらの状況が落ち着き、歯の損傷が認められたら歯科医院を受診をするというフローが重要となります。
乳歯の外傷について皆様に知っていただきたい内容を書こうと思いましたがここまでででも
長文になってしまいましたので申し訳ありませんが本題は次回に記載したいと思います。
下北沢井上デンタルクリニック
院長 井上 雄吾