2019年5月18日
皆様、突然ですが「オーラルフレイル」ってご存知でしょうか?
人間は誰しも加齢に伴い、心身とも機能が低下し健康で生き生きとした状態から
介護が必要な状態へと「老いの坂道」を下っていきます。
この坂道の途中には必ず筋力や心身の活力が低下する
「フレイル」と呼ばれる中間の段階があり、要介護状態となる最たる要因がそこに存在します。
オーラルフレイルとはフレイ段階の前の状況の一つと考えられており、固いものをしっかり噛めない、
飲み込みずづらいなどの口腔機能低下症といった概念と置き換えても良いと思いますが、
オーラルフレイル(口の中の全般的な機能の低下)が、以下の心身の機能低下と密接にかかわっていることがわかってきました。
(大規模長期縦断追跡健康調査:柏スタディ
Tanaka T. et al, J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2018;73:1661-1667)
従来より歯の本数が少ない方ほど、認知症の発症リスクの増加や、
心筋梗塞や脳梗塞などの重篤の疾患の発症リスクの増加、
妊娠出産時の重大なアクシデントの増加など多数のお体との関連性が言われておりましたが、
柏スタディと言われるこの大規模な研究で、総死亡リスクが2.1倍となる結果が示されたのには
改めて大きなインパクトを残しました。
口の中の機能を残す、すなわちオーラルフレイルにならないためには、
当たり前ですがまずは一本一本の歯を大切にすることが最初のスタートとなります。
そのためには治療の中で歯の神経をできるだけ残し大きく削ったりしないで、
長くやり変えのない治療を歯科医師と相談しながら選択し、再治療を可及的にしないようにする。
さらにできるだけ早い年齢で、むし歯や歯周病にならない環境をどうすれば作れるか
(歯磨きだけを一生懸命に頑張るではないやり方)
を理解したり、自身の歯でどの場所が一番今後抜歯になるリスクが高いかを正確に知ることが大切となります。
下北沢井上デンタルクリニックに通院中の患者様にはできるだけ
上記の内容を適切なタイミングでしっかりと確実にお伝えし、
できるだけご自身の歯を一本でも多く残せるお手伝いをさせていただいております。
歯のメンテナンスと称し、歯石を取って歯の表面を磨いただけだと、
歯の延命効果はほとんどありませんので、お困りのことがありましたら
ぜひ下北沢井上デンタルクリニックへご相談下さい。